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8BitDo Arcade Stick for Xbox レポート③ 内部構造

こんにちは、Show.です。

8BitDo Arcade Stick for Xbox レポート、3回目は内部構造について。
1回目はこちら】【2回目はこちら

上下に完全分離、アケコン機能は上半分に集約

本体の裏側から6ヶ所のプラスネジを外すことで本体を開けることが出来ます。
なおネジを入れる穴は深く細いので、長めのドライバーが必要。
6本のネジを外すと、きれいに上下に分離。
Switch版は下半分にもUSB端子の基盤があったため上下を繋ぐケーブルがありましたが、Xbox版はUSB端子が上半分にあるので上下を繋ぐものはありません。

レバー、ボタン、基盤や端子は全部上半分に集約してる(つまり上半分だけでアケコンとして使える)ので、下半分は「重りの入った裏ぶた」でしかありません。

過去に説明しましたが、裏ぶたには鉄板が2枚、ネジで固定されており、ネジをとって鉄板を外すことで重さを調整できます。

そして、こちらが上半分。

ボタンを接続しているのはL字型のファストン端子。ロック機構は…見た感じ無さそう。
でも固いよ!無理に引っ張って大丈夫なの!?

ちなみにSwitch版は基盤が大きくてボタンに触れるギリギリまであったようですが、Xbox版は基盤がコンパクトになってボタンのそばにはありません。
またSwitch版はケーブルが全て黒一色だったのでどのケーブルがどのボタンかわかりにくかったけど、Xbox版はケーブルの色がボタンごとに変わり、それを説明するイラストもあって親切になってます。

レバーは信号の並びが特殊で交換には一手間が必要

8BitDoオリジナルレバーはスイッチに直接ケーブルをハンダ付け。

1つのスイッチにつき「信号とGND」で2本、合計8本のケーブルをまとめた8ピンコネクタで基盤と接続します。

基盤側8ピンソケットの配列は(写真下から)
[GND UP GND LEFT GND DOWN GND RIGHT]

これでは三和レバーなどで一般的な5ピン配列
[UP DOWN RIGHT LEFT GND]
が使えません。

ちなみに2020年に出たSwitch版8BitDo Arcade Stickの基盤側8ピンソケットの配列は
[UP DOWN RIGHT LEFT GND GND GND GND]
だったようで、端の5ピンに寄せれば使えたと聞いています。
ネットで8BitDo Arcade Stickのレバー換装情報を調べると「5ピン-5ピンケーブルでOK」との情報が見つかりますが、それはSwitch版の話。Xbox版はそのケーブルでは使えません。注意!

ではXbox版で一般的なレバーを使うにはどうするかというと。
5ピン-8ピン変換ケーブルを自作する手もありますが、もう少し楽な方法も用意されています。
それが8ピンソケットの横、基盤にむき出しになった
[UP LEFT DOWN RIGHT GND]
の端子です。
この並び順も、素直じゃないなぁ…まぁLEFTだけちょっと変えればいいのか。

ここに三和の『ジョイスティック用ハーネス JLF-H』などをハンダ付けするのが、おそらく一番簡単でしょう。
正直ハンダ付けはヘッタクソで見せるのも恥ずかしい私ですが、それでもなんとか動作するようにはできましたし。

レバー固定用の穴は三和系の4つタイプ

レバーを外すと金属製のネジ穴が4つ、埋め込まれています。
4つの穴の位置は三和系の4つタイプ。
上下2ヶ所で止めるタイプのレバーは変換プレートが必要かも。

レバーは強い力のかかるパーツなため、多くのアケコンではこのネジ穴に該当する部分には分厚い鉄板などを使って強度を確保しています。
このアケコンはプラスチックに埋め込んだだけのネジ穴なのでちょっと心配。

また、分厚い鉄板がないぶん、パネル面とレバーの位置が近くなっています。
そのまま付けると数ミリレバーが長く感じるかもしれません。
気になるようなら、厚みを稼ぐパネルを挟んだり、ショートシャフトを使うなどするといいかもしれません。

レバーの入る空間の深さは、GOLDEN LEVERがぎり入りました。
実は個人的に、これが一番気になっていたところだったりします。
GOLDEN LEVER使えたー、ヤッター!

とりあえず、こんな感じで一度、締めくくりたいと思います。

ちなみに上下にパカッと分かれるこのアケコン、上下が段差でかみ合うような形状になっていて、もし下半分から重りの鉄板を全部外して軽くしているなら、ネジ止めしなくてもハメコミ(+養生テープで仮止め)だけで割とそのまま使えてしまいます。レバーやボタンを換装する時にいちいちネジを締め直すのはとても面倒なので、地味に助かります。

もし次回があれば肝心の使用感について書けたらいいけど…それは長く使ってみないとなんとも言えないし、そもそも私はボタンやレバーを換装するから、それって参考になるのかどうか。
確約は出来ませんが、気が向いたら使用感について書くかもしれません。
とりあえず大きいアケコンに比べるとレバーの左、ボタンの下のスペースが狭いな!ってのは見た通り。
何か疑問があれば、わたくしShow.に直接聞いてくれてもいいですよ。

以上、Microsoftのライセンス認証周辺危機しか使えない騒動でBrookがピンチのなか、8BitDO Arcade Stick for Xboxを買おうかどうか迷っている人にこれらの情報が少しでも参考になれば幸いです。
それではまた。

8BitDo Arcade Stick for Xbox レポート② ボタン配置

こんにちは、Show.です。

8BitDo Arcade Stick for Xbox レポート、2回目はボタン配置について。
前回はこちら

一見普通のアケコンだがちょっとクセもある

まずはよく使う右側、30mmのボタンから。
新品購入時のピニールつけたままなので、ちょっと見苦しくてすみません。

A/B/X/Y/RB/LB/RT/LT
まぁ普通ですね。
ちなみにこの30mmボタンが配置されている部分、鏡のようにつるつるで、すごく脂が付きます。
拭いても拭いてもきりがないので、綺麗にしたいなら何かシートを貼るなど対策を考えた方がいいでしょう。

そして右上に2つある24mmのボタンは、

LSB(Lスティックボタン)/RSB(Rスティックボタン)
…いや普通そこはVIEW/MENU(いわゆるセレクトとスタート)では!?
確かにゲームによってはLSB、RSBに機能を割り振ることもできるけど、
一般的にアケコンのその場所はスタートボタン的な機能がある場所…ですよね!?

ではVIEW/MENUはどこにあるのか。続いて左上のシステム系ボタンを見ていきます。
※まだ検証が済んでいない部分も多いです。

オーディオスイッチ
筐体手前にあるヘッドセットジャックにヘッドセットを接続した際、オン/マイクミュート/オフを切り替える。

スティックモードスイッチ
レバーによる入力を、左スティック/方向キー/右スティック のいずれかに切り替える。

アスタリスクボタン
★マークは「アスタリスクボタン」。
説明書を見た感じ、キーの割り当てを一時的に変更するクイック交換や、USBレシーバーと再ペアリングする時くらいしか使わない様子。

重要そうなのに使う機会は少ない?

Xboxガイドボタン
しいたけ。

設定ボタン
ドットで描かれたハートマークは「設定ボタン」。
あらかじめカスタマイズしておいたキー設定(プロファイル)のON/OFFを切り替える。

また、押しっぱなしにしながらレバーを操作することで、ヘッドセットオーディオを調整する。
押しっぱなし上下で音量、押しっぱなし左右でゲーム音とチャット音声のバランスを調整。

モードスイッチ
スティックモードとコントローラーモードを切り替える。

単純に考えれば「このデバイスをハード側にどう認識させるか」という意味に思えるが、
説明書によると、これをスティックモードにするのはXboxに無線接続する時のみで、
Xboxへの有線接続やPCへの有線/無線接続ではコントローラーモードにしろと書いてある。

でもコントローラーモードで無線接続も出来た。意図がいまいちわからない。

VIEW/SHARE/MENU
他の2つはともかく、MENU(スタート)がこんな場所にあっていいんだろうか。
格ゲーではとても使用頻度の高いボタンなのに。

ソフトウェアでより使いやすく

PC必須ではあるが、8BitDoの公式サイトに行けばファームウェアアップデータとボタン配置をカスタマイズできるソフトが簡単に入手出来る。

ファームウェアは公式サイト内サポートページ、Arcade Stick for Xbox からダウンロードしよう。

カスタマイズするためのソフト『Ultimate Software』(ボタン配置を変えるだけなのに仰々しい名前…)は公式サイト内サポートページ左上、ドットで描かれたハートマークの『Ultimate Software』をクリックして対応機種を選ぶページへ飛び、Arcade Stick for Xboxを選択すると説明ページWindows Storeへのリンクが表示される。

Windows Storeからダウンロードした『Ultimate Software』の使い方だが、PC専用なのになぜかマウスに対応してないので、接続したコントローラーから操作する。上下左右で選択、Aで決定、Bでキャンセル。

ここではレバーの上下左右と、右側の8+2ボタンに、機能を自由に割り振り可能。
前述した右上の24mmボタンがLSB/RSBなのが不満であれば、ここでVIEW/MENUに設定すればOK。

ただし左上に固まっているシステム系ボタンには機能を割り振れない。
「右上をVIEW/MENUにしたかわりに、左上にあるアスタリスクボタン、設定ボタン、VIEW/SHARE/MENUのどれかにLSB/RSBを割り当てる」ことは出来ないです。

それ以外のレバーとボタンは自由にいじれるので、例えばレバー上入力をNに、任意のボタンに↑を割り振ることでHitBoxみたいなジャンプボタン運用も出来るし、レバーの上下左右を入れ替えてコントローラーを逆にして武力レバーにすることも可能。

変更した設定は『Ultimate Software』の「Sync to Device」を(レバーでそこまでカーソルを持っていってAで決定することで)アケコンに転送。しかしこれだけではアケコンのボタン配置は変わりません。

アケコン側で「設定ボタン」を押すとその上に白いランプが付いて、先ほど設定したキー設定(プロファイル)がONになります(押すたびにON/OFFが切り替わる)。
デフォルトとカスタムをボタン一発・一瞬で切り替えられるのは便利。プロファイルを複数設定できたらもっと良かったが…。

アケコンに転送した後は、PCの『Ultimate Software』は終了して構いません。
といっても終了する項目はないので、マウス操作でアプリを終了して下さい。

ちなみにこの『Ultimate Software』ですが、Switch版はキーのマクロや連射の設定が出来たそうです。
つまり「1ボタンスクリュー」のマクロが設定できたのですね。
さらに左上のシステム系ボタンも設定変更できたとか。
しかしこのXbox版ではマクロ機能は削除され、システム系ボタンも変更できなくなりました。

これは予想ですが、Microsoftのライセンス認証「Designed for XBOX」マークを受けるには、チートツールとして利用される可能性のある機能があってはいけない…だから外したのではないでしょうか。
※もしそうだと仮定すると、BrookのWingmanXBは繋いだ先のコントローラーにどんなチート機能があっても繋げてしまえるので、そこが厳しいのかも…。

ひとまずボタン配置の話だけでかなり長くなったのでこのへんで。
次回は内部構造の話をしたいと思います。

8BitDo Arcade Stick for Xbox レポート① 外観

こんにちは、Show.です。

まだ未確定ですが、Microsoftがライセンス認証デバイス以外を弾く対応を始めた関係で、これまでXboxで格ゲーする際にほぼ必須となっていた変換器、WingmanXB(XB2も)が使えなくなるかもしれないと言われています。
※WingmanXBを出しているBrookはまだ諦めていないので、今後の動向を見守りましょう。

もしPSのアケコンが使えなくなったとして、じゃあライセンス認証済みのアケコンってどんなのがあるのかとなると…HORIのFighting Stick αはほぼ売り切れで入手困難なため、安定して入手できるものというと、現状ひとつだけ。

それが8BitDo Arcade Stick for Xbox
アケコンというカテゴリーでは珍しい無線でも使えるアケコンです。
※もちろんUSBで直結も出来ます。
※箱に「INCLUDES GAME PASS 1MOUNTH ULTIMATE」と書いているように、ゲーパスアルティメットの1ヶ月チケットコードが同梱。ただ、使えるのは新規契約タイミングのみかも…既に入っている私はうまくいかなかったので。

8BitDoは近年注目度の高まってきたメーカーだけど、格ゲー界隈ではほぼ新参なので情報が少ない。
一応このアケコン、Swtich版が2020年に発売されているようで、そちらのレビューは結構あるけど、実はXbox版とは細かいところが違っている。

ということで、実際に購入してみて、わかったことを、何回かに分けてレポートします。

 

まず1回目は外観について。

サイズは最近のアケコンとしては小さめ

本体の占有面積は、A4サイズに近い。A4用紙を横にして、上下を1cm縮めたらぴったり。
HORIのFighting Stick αと比べたら半分。“半分くらい”ではなく本当に半分。

 

厚さは、天板面が手前に向かって斜めに少し下がっていて、一番奥の分厚い部分が6cm(レバーは考慮しない)。HORIのFighting Stick αと比べたらほんの少し薄い。

 

重さは結構ずっしり…なんだけど、これ実は中に鉄板を入れている。
後日、開けた話をする際に改めて説明するが、中には鉄板が2枚入っていて外せるので、初期状態の“重い”状態から、鉄板を1枚抜いて“やや重い”、鉄板を全部抜いて“軽い”を選べる。
全部抜いたらとっても軽い。

背面にはすべり止めのゴムが四隅に付いている。
つるつるの机においた感じでは簡単に動くことはなかった。

使いやすいビュウリックス配置・改

本体のボタン配置はビュウリックス配置だが、レバーとの距離はビュウリックスより離れている。これは嬉しい!!
噂では、海外ではビュウリックスのレバーとボタンが近過ぎるのが不評で、海外メーカーは離したものが多いのだとか。

 

ボタンとレバーはオリジナル

ボタン形状は中央がやや盛り上がったドーム型。
ストロークの深さは三和に似て一般的。
感触は…たまたまハズレの個体に当たったのか、ボタンの浮き沈みに軽い引っ掛かりがありキシュキシュと鳴って、たまにボタンの戻りが一瞬遅れる。
グリスやKure55を塗るか、交換するか…。

レバーは8BitDoオリジナル。大きさや手触りは標準的。
やや可動範囲が広めで柔らかい…? でも一般的な基準で言えばこれで困ることはないかと。
私は一般的なレバーを使わないので交換するけど。

まとめると、

・小さいけど使いやすいレイアウト
・重さも調整可能
・レバーとボタンは低コストながら必要基準は満たしている

外観はひとまずこんな感じ。
次回はボタン配置とカスタマイズ用ソフトなどについて書こうと思います。

【追記】
音に関して、うるさいか静かか、と質問を受けました。
私があまり音を気にしたことがないので浅い回答しか出来ませんが、普通にレバーはカチャカチャ、ボタンはパチャパチャ鳴ります。静かではないです。

ただ、内部の空洞で響いている感じはします。
この製品は密閉されたタイプなので、吸音シートを中に敷くと効果があるかもしれません。
内部底面に重りの鉄板が入っているのは前述の通りですが、その鉄板の形に吸音シートなどを切り抜いて鉄板に重ねたり差し替えたりなどすれば、綺麗に収まるでしょう。